こども創育laboratorioの杉下裕樹です。
今回は、表題に①に続き、私の実践例をお伝えしようと思います。
大人が導くことで、子ども主体の価値と権利・無限の可能性を持つ力があること、自発性・想像力・表現が
子どもたちにはもうすでにあることがわかっていただけるのではないかと思います。
「保育園を元気にしてあげたいプロジェクト」主対応:杉下
ある幼児が「野菜が育たない」と悲しんでいた。
私は、職員としても悩みだったので、これを子ども達と全職員のプロジェクトとして行いました。
まず、遊戯室で職員(調理員含む)・子ども達(乳児含む)話し合い・皆で「話合う場と話し合う時間」を確保し、対話することからはじめてました。
先生たちの悩みを子ども達に打ち明けました。
「なぜだろう」「どうしてだろう」
子ども達は、思い思いの仮説をたてはじめました。
「悪いものがここにはいるんだよ」
「狭いから」
「みんなが、野菜がきらいだから、野菜も出てきたくないんだよ」
「水が汚いよ。だって先生たちが飲んじゃいけないって言ってる。それを野菜にあげたら死んじゃうよ。」
「寒いからだよ」
職員が、イメージしやすいようにみんなの意見を絵にして張り出しました。
職員たちは、この時に研究や子ども達からの学びをさせられています。
子ども達の言っていることは全て正しいと。なぜ今まで子ども達にこのような表現をさせてしまうようなことをしていたのかと。
次の日、話し合いを設けるとある子どもが言いました。
「保育園を元気にさせてあげたいんだ」
職員が「なぜそう感じるの?」と言うと、
「いつも暗いんだもん」
「暗いから元気ないから野菜ができないんだ」
この子にスポットを当てることにしました。
私が、「どうやったら暗いかわかるの?」と聞くと。
「いろいろなところに野菜を植えてみれば。どこが元気ないかわかるよ」
そこでどこでも植えられるように肥料袋に直接苗木を入れて育てられるように環境設定をしました。
そして、皆が「保育園が元気がでるようなところに、置いてみよう」と思い思い、制限無く好きなところに置くことにし、
皆で毎日観察し、日記をつけることにしました。
ある時期を迎え、枯れるものもあれば、実がなるところもありました。
それを、一枚の紙にみんなで書いてみました、
そして、それぞれ自分のもの日記とお友達のものに対してプレゼンテーションしました。
そこである子が、育った野菜の日記は、色が明るくて、枯れてしまったところの野菜は暗かったことに気付きました。
そうです。子ども達は自分たちで、野菜には明るいものが必要と答えをだし、暗いと枯れてしまうことに気が付きました。
私が、「でも枯れているお友達が多いね」というと
ある子が「わかった!!暗かったところを明るくすればいいんだよ」と
でも私はこの時どうやれば明るくなるのかわかりませんでした。
「どうして明るくするの?」と聞くと
みんなで思い思いの意見交換がされました。
ある子が「そうだ!!きれいな明るい色で、暗いところに野菜の絵を描けば、保育園全部が元気になるよ!!」と言ったのです。
私は、感動と大人の無力さに、胸が痛くなりました。
子ども達、職員皆で、枯れてしまったところ、暗いところに絵を描きました。
私は、この「物語」を、保護者を集め語ろうと思いました。私が、語るのではなく「子ども達」が主体的にです。そこで「振り返りの作業」や「こうだったんじゃないか」という新たな展開も表出しました。ここでいままでの、活動記録(ドキュメンテーションが活きてきます。
保護者と全職員が集まり、子ども達のプレゼンテーションを聴きました。
大人たちは皆、言葉がでませんでした。
子ども達の無限の可能性と創造する力があることを、職員と保護者で認め合いました。
このプロジェクトは、4か月で一つの終わりを迎えました。
子ども達は、大人の疑問を、仮説をたて実証し、解決してくれました。
そして、光と闇があることもその過程で体感し、生きるには、暖かさと明るさが必要ということも実証してくれました。
そして見事に、ずっと枯れてしまう不可能だと思っていたところに、とてもきれいな野菜を育てました(描きました)。
子どもに学びました。
こどもを知ることの大切さ。
あきらめてはいけないこと。
私たちは。子ども達に、救われました。
無限の可能性があり、0から1を生み出す創造する力がある。
そして、それは大人次第だということを。
いかがでしたか。
私は、子どもを知り・子どもに学びました。
皆様も、こどもには能力がある。その力を導き引き出すのは、「大人」と意識していただくだけで変わると思います。