こども創育Laboratorioの杉下裕樹です。 http://labo-ratorio.jp/
子どもを産んで、大きくなるにつれて「どのような教育をしたらよいのか」と悩まれるかたが多いと思います。
そのヒントにしていただければと思います。
そして、少し大きな話になるかもしれませんが、大切なことなので皆さんにイメージしてもらいたいと思います。
皆さん、今から5年、10年、30年後・・・日本がどのような状況や環境になっているかイメージしてみてください。おそらくこれだけ情報が多い世の中、イメージできると思います。
現在の人口は、1億2600万。30年後約2000万人減少し、50年後はさらに2000万人減少します。1年間に80万人が減少する統計です。そして、超少子高齢化社会、そして合計特殊出生率(女性が一生のうち産むこどもの割合と数)のさらなる低下。毎年継続的に人が減っていく社会とは、どのような社会になるのでしょうか。
まず、人がいない。
人間関係も希薄になり、自殺者増加、虐待数の増加、犯罪の低年齢化も拍車をかけて進むことでしょう。収入減る、税金上がる、GDPの減少。
もう必ずそうなるしかない日本社会とイメージしてみてください。
その反面、周辺諸国は現在、発展を迎えています。昔の日本の高度経済成長(戦後~バブル崩壊まで)と同じです。30年後は、日本と同じ経済水準になっています。
今までの日本に“経験したことのない”時代が来ます。
その時に私たちはどうなっているのか。大切なこども達はどのような環境で生きていくのか。イメージしてください。
どうでしょうか。
端的にどのような生きる力が必要になるかというと。
自発性・表現力・想像性・創造力・行動力・適応能力・自己肯定感・楽観性・リーダーシップ・グローバルマインドといった力が必要になります。
どうでしょう。
今の日本の子どもに足りない力と思いませんか。
そうです。日本の子ども達への教育のあり方は、今、岐路を迎え危機的な状況であることを知ってもらえればと思います。
では、この力を獲得するためにより具体的にどのような教育をすればいいのでしょうか。全て一緒にということもできます。
ただ、それには「子どもの権利と価値を、日本、自治体、地域、親・・・」大人達が子どもを知り、学び、認め合うことをしないと実現できません。
私はその活動を行っていますが、難しい。
では優先順位をもって、どのような教育が必要になるのか。
【№1自己肯定感】
まず、生きていくうえで、「楽しい、幸せ」を感じる土台は、この人格形成です。
「生きていると幸せ」「自分はこれでいいんだ」自己を肯定して初めて、生きる喜びと、壁に当たった時に「楽観性」が出てきて乗り越えられる。
これを獲得できる環境が「自然」です。
自然は、日々変化する。そして大きい広い。言うことを聞かない。思い通りにいかない。そして、一番は、ダイレクトにこどもの五感にアプローチしてくることです。
こどもは、自然の中で、自分の小ささ、自分の位置を知ります。
そうです。自分を知ることができるんです。
この環境と「一緒にそれを楽しむ親の存在」が、自己肯定感を育みます。
今、さまざまな自然とキーワードにしてた場所や企画があります。
雨でも雪での寒くても暑くても、自然を知ること。
ぜひ、それぞれの地域の環境で「自然と遊んで」見てください。
そして、子どもたちの活動をどんなことでも「認めてあげること」これが全てです。
【№2コミュニケーション能力】
簡単な話をします。
相手の考えていることをわかりますか?
特殊な能力や宇宙人でなければ無理です。
そして一人では生きていけない。
相手を、知り、繋がり、生活し、育つ。
これに必要な物それは、「コミュニケーション」を取るための手段「言語」です。
冒頭、これからアジア、世界との「対話」ができないとどうなるか。
気合や旅行ハンドブック、スマホのアプリ翻訳・・・
子ども達に求められているのは、ツールではなく、能力です。
私は、「言語会話」の能力が必要と考えています。
それが目的ではなく、グローバルに生きる力のコミュニケーションを取れるツールとしてです。
【№3自発的、自主性、主体性、表現力】
イメージしたこの時代、絶対数人がいない。ではないですか。
相手からのアプローチを待っている・・・
これで何が生まれるのか。
ではなく、「自ら」そして「リーダーシップ」が必要な時代になります。
これを獲得するには、
「”大人”が、子どもを知り、子どもから学び、子ども価値を認め、子どもの権利を守ること」 が前提になると私は考えています。
この前提がないと、こどもの自発的、自主性、主体性、表現力を生み出す場所・環境が整えられないからです。
まずは、
①こどもが求めていることと、大人が求めていることには、大きな差があること
②こどもに求めるのであれば、まずは大人がそのモデルとしていなければ、本質的な力の獲得が難しいこと
今、親子でのコミュニティーやワークショップが増えていますので、そこに行かれて、知ったり、気づいたりしてみてはいかがでしょうか。
大人自身が、こどもを思い、知り、探求・実践しない限り、本質的にこどもの可能性を引き出し、その価値や権利を認める仕組みは生まれません。大人はこども達にさまざまなことを求めますが、まず私たち大人がその力と目線を持つことで初めて、こども達と対話ができ、その価値を実感し認めることができるのではないでしょうか。
そして、こども達も「大人達が、自分たちのために取り組むその姿」をきっと望んでいるはずです。