配当性向と配当率の見方

 
今回は指標の見方の話。
配当性向と配当率を自分がどう扱っているかというエントリーです。
 
配当とはなんなのかですが、毎年会社は儲けの一部を配当として株主に配ることをしています。
株式を持っているだけで得られるお金、利益です。
この点においてはまさしく株式はお金のなる木と言えます。
会社が成長すればもらえるお金が増えるとことも多いのも木と一緒ですね。
 
ただこの配当を出すか出さないか、どれくらい出すかは会社に委ねられており一定のルールはありませんが儲かっているところは大抵出してくれます。
 
この配当が株価に比べてどれくらいあるの?が配当率。
そして会社の儲けのどれくらいを配当にしているの?が配当性向です。
 
この配当率と配当性向、配当をどれだけだしてくれるの?それが続きそうなの?を見るためのものというのがおそらく本来の趣旨なんでしょうが、他のことと合わせてみることによって、会社の割安性とか性格とかも見るのにも参考になると考えているんです。
 
例えば配当性向が高いということは、その会社は大盤振る舞いをしているということになります。
中でも配当性向が100%を越えるようなら、その会社は儲けより多くのお金を株主に配っているということです。
お給料以上に人におごっているような状態です。
いろんな事情はあると思います。配当を重要な収入としている方もいらっしゃいます。そんな人を困らせてはならぬと頑張って出しているのかもしれませんし、株主に怒られるのが怖いのかもしれませんし。
とりあえず、多いと無理気味して人にお金を出していると考えればあまり間違いじゃないでしょう。
 
配当性向が低い会社もあります。これもいろんな事情がありそうです。
株主なんぞにくれてやるお金などないと考えているかもしれませんし、成長のためにそのお金は配当じゃなくて投資に使わせてくれかも知れません。手元にお金ないからしばらくは勘弁してくれとかもありそうですね。
まあでも、儲かっているのに配当性向低いという会社はあまり株主還元に熱心ではない傾向があるとは言えるかもしれません。
 
このように見ることができるのは配当性向って指標は会社がその意志で決めれるものだからです。
配当性向は会社からのメッセージという性格も持っているんです。
会社の意志をある程度推察することが可能なんです。
売上とか利益とか会社の意志ではどうにもならないものもありますが、配当性向はある意味会社の意思を探れる数少ない指標なのかもしれません
 
例えば、我が社は配当をたくさん出して、たくさん株主に還元するよ
我が社は成長業界というわけでもないのであまり投資をしても成長が見込めないから投資を抑え株主還元するよ
とかでしたら配当性向は高くなるはずなんです。

逆に
我が社は成長するそのためには配当に出すお金は投資に回すよ
会社は株主だけのもんじゃない株主だけを優遇するつもりはない
とかでしたら配当性向は低くなるはずなんです。

 
例えばなんですが製薬業界。武田薬品等は高配当銘柄とかで結構紹介されますがこの製薬業界配当性向が軒並み高いという傾向があります。無論武田もです。業界全体で配当性向が高いです。
これは製薬業界の会社の多くは、出来る限り株主に還元するよという意志ももちろん見れますが、それぞれの会社があまり成長できると思っていないというメッセージも出しているとも読み取れるんです。
成長するなら配当をだす分を投資をしたほうがいい場合が多いからです。
でもおそらく製薬業界は多くの人に成長すると思われている。だけど当の会社はそう思ってなさそう。なんてことも読み取れるかもしれません。

 
加えて配当率と合わせてみることで大まかな割安性も見ることができます。
配当率は株価から決定されます。つまりは株式を買う人が相場が決定するものです。
人気が出て株価が高くなれば配当率は低くなるんです。
つまり配当性向が高いのにもかかわらず、配当率が低いならその会社は人気が出て会社の価値実力より、株価が高めになっている疑いが強いんです。
逆に配当性向が低いのにもかかわらず、配当率が高いなら会社の価値実力より株価が低い可能性が高くなります。
配当をケチるわけでもなく普通に出しているけど、注目されていないので株価が低く抑えられ結果配当率が高くなっている。
なんてことになっている会社も多そうです。
もし普通に注目をあびる事になれば配当率が高いぞとかあれこの会社安くない?とか思う人もいるかもしれませんね。

 
こんなかんじに配当性向、配当率にはその指標の意味以上にメッセージが読み取れるかもしれません。
あなたは、配当性向からどのような会社からのメッセージを読み取りますか?
そして配当率もあわせみてその銘柄にどんな評価を下しますか?